Appleイベント、長く待たせてたのはNewtonとHypercardと言って欲しい

10月16日のApple Special Event、新型iPad、Macbookなど順当な予想がされていて、マーケット的も既に織り込まれいるよ!と言いそうなぐらい無風な気配が流れている。


今週のAppleイベントを予想する
http://jp.techcrunch.com/2014/10/14/20141013what-to-expect-from-apples-ipad-and-mac-event/

でもAppleはイベントの招待状で『It’s Been Way Too Long』と言っている。「あまりにも長く待たせたね」といったところだろうか。
しかもMac30周年であることをアピールし、スティーブ・ジョブス社長復帰後、初代iMacが発売された時に変更されて以来使われてこなかったレインボーカラーのアップルマークを用いた招待状。

これは、最近の製品の順当なアップグレードだよ、ちょっと新しい品出すよ、とかそんなレベルでは無く、もっとMacの歴史を踏まえた本質的なメッセージがあるのでは無いかとも思える。

そうなったとき、我々がずーーーーーーっと待っていたのは何か。求めていたのは何か。『Newton』と『Hypercard』ではないだろうか。

『Newton』

“Apple Newton”とは何か。ふつーにいってしまえば1987年〜1998年までアップルが発売していたPDA(Personal Digital Assistant)で、昔会ったシャープのザウルスの最初のヤツである。

Wikipedia Newton (platform)
http://en.wikipedia.org/wiki/Newton_(platform)

これだけだと、いまのiPhoneの源流かな?ならiPhoneで理想的に実現されてるよね。で終わってしまう。
しかしニュートンはもっと高い理想、クリエイティブワークのデバイスを目指していた。

引用Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3

ニュートン誕生前夜

ニュートンは、そもそもはPDAを目指していたのではなかった。ニュートンの時代にはそのような分類すらなく、PDAとは、ジョン・スカリー (John Sculley) が開発の後期に作り出した言葉である。ニュートンが目指したものは、パーソナルコンピューティングの完全なる再発明であった。開発の大半の期間は、大きなスクリーンを備え、大量のRAMを搭載し、高機能なオブジェクト指向グラフィックスカーネルを用いて行われていた。当初の開発目標の一つとして「建築家向けシステム」があった。これは、住宅の机上設計を顧客と行う際に、二次元の設計図を簡単にスケッチし、清書し、修正してゆくことができるというものである。

ニュートンの開発の主要な時期(およそ中盤の1/3くらいの頃)、主要な開発言語は”Dylan”であった。この言語は小型で効率的なオブジェクト指向LISPの一種で、今日ではわずかにマイナーなコミュニティで用いられている。その時代性から考えるにDylanには十分な効率性があったが、ニュートンが巨大なものになってしまうことは受け入れられなかった(また、非LISP開発者たちにも受け入れ難いものであった)。ニュートンがより小さいサイズで再設計された時、Dylanは「バウハウス・プロジェクト」の「実験項目」に格下げになり、その内捨て去られてしまった。
興味深いことに、Dylanの特徴であるガベージコレクション機能とOSとの密接な結合は、マイクロソフトによるコード管理の革命を10年も先取りしたであろうものである。

パーソナルコンピューティングの再発明を行い、現代的なアプリケーションプログラミングをやりなおすという当初の目標のせいで、プロジェクトは空転し、這い進むような進行状況になり、Macintoshの売上を食いつぶすおそれが広がっていった。ニュートンはあらためてMacintoshの機能を補完する周辺機器として再設計されることとなった。そしてニュートンのマーケット担当者がジョン・スカリーを追いつめて、PDA、つまり携帯専用という視点を吹き込んだ。これによりニュートンの歴史は劇的に変貌を遂げる。

『Hypercard』

さらにもう一つ、長く待たされたもの「Hypercard」とは何か。

それはカード型のUIを持った、マルチメディアオーサリングソフトウェアでありソフトウエア開発環境であり、そしてWebの理想であるハイパーテキストの概念を初めて実現した環境です。
下記リンク先の内容が詳しいのですが、下の画面を見てください。アイコンが並んでるだけですが、なんかワクワクしませんか?30年以上前(1987-2000)にこんな世界観が実現されていたのです。

早すぎたHyperCardの上昇と下降、そしてモバイルから来たカードの群
http://wirelesswire.jp/yomoyomo/201403190930.html

このHypercardもスティーブ・ジョブズ復帰後の2000年に完全に解体されてしまいました。

終わりに/『Newton』と『Hypercard』どちらもジョブス復帰後に整理されたもの

「Newton」は1998年まで「Hypercard」は2000年まで。どちらも1985年にスティーブ・ジョブズが追放され、2000年に復帰するまでに構想・発売された、コンピューターの歴史に残る製品です。

1984年1月24日の初代Macから30年のMacの歴史・コンピューターの歴史・スマートフォンの歴史は、スティーブ・ジョブズやジョン・スカリーといったアップルを取り巻く愛憎劇が作ってきたとも言えます。

スティーブ・ジョブズが偉大な功績を残し他界し、ティム・クックCEOを始めとした新世代が率いる今のAppleだからこそ、iPadが大きくなった、速くなった!とかそういう世界の話では無くて、愛憎を超えてNewtonとHypercardを再評価し世に問う、『It’s Been Way Too Long/それは余りにも長い間→長く待たせたね!』であって欲しいとと思った。